警視庁公安部外事課

 

元公安の方が書かれた警視庁公安部外事課と言う本を読みました。
刑事ものドラマはもちろん、FBIもの、スパイものが好きな私はもちろん公安と言う言葉にも萌えます。私の出身地、京都は人口に対して最も公安警察が多いと聞いていて(ほんとかどうかは知らない)、子供の頃からコーアンと言うモノに関心がありました。

読んでみて、想像以上に縁の下の力持ちな仕事だし、ある種のシンパシーも感じました。一般企業で例えると人事総務に近い気がしました。

公安の仕事は事件が表面化する前に水面下で処理している--略--公安警察の活動も、人々に称賛されることや評価されることもない。こうした外事課の捜査員たちの日々の仕事の積み重ねによって、この国の平穏が保たれていることを理解していただけたら、筆者としてとてもうれしく思う。(はじめに より)

とある。まさに人事総務の仕事もそうで、コトが起こらないようにコソコソと動いている。

刑事の中には、公安に対して「あいつら、適当に時間をつぶして遊んでやがる」などと見当違いの批判をする者もいる。(P41)

これもよくある営業からみた管理部門に対する景色。

また、こうも仰っている。

公安捜査員に必要な資質は「社交性」。情報は相手と信頼関係を築けないと、もらうことはできない。笑顔を絶やさず、常に相手のことを思いやり、懐に入っていくようにする、ときには無理な頼み事も聞いてやる。そうしたことを積み重ねていくうちに、相手は意気に感じて、重要な情報をくれるようになるのだ。(p29)

私も社員と話す前は子供の名前を再確認して、子供の名前を連呼しつつ、近況を伺ってから本題に入るとかやっています。小さな子の場合は生まれ月までチェックする。もう、3歳だっけ? とか。

実は私はいささか社交性にかけるところがあったので、努力と工夫でそれを補おうとした。警察内の自分のセクションだけでなく、他のセクションの人とも積極的にコミュニケーションをはかり、人脈を広げることに努めた。(p30)

そう、HRマネージャーとしても、社交性はとても大事で、私もいささか欠けるところがあり、それを上司に相談したら、「実は私も苦手。意識的に社交している」とアドバイスを受け、なるべくそうするように努めています。

と、言うことで、全然違うんだけと、似てるなと思った次第です。

著者の勝丸さんが、クリエイティビティをもって任務を遂行されていたのも印象的で、私も、自分の頭で考えて、後10年仕事していこうと思いました。

そして、日本国内にも外国のスパイは普通にうようよいる中(ロシアスパイだけでも120人!!!)、オーストラリアの在日諜報員の活動の中心は、オーストラリアに対する日本人の印象をよくすること(P37) っていうのがクスっときました。オーストラリア人って結構、親日みたいですね。実際、オーストラリアの同僚の子息は、Netflix深夜食堂を見るのが楽しみらしい。メルボルンの男子高校生になぜ深夜食堂がはまるのだ?知らんけど、平和で何より。

 

いい本に出会いました。